IMA コラム
カクテル
今回はお酒のお話です。
私は学生時代、京都・祇園のバーでアルバイトをしていました。バーといってもピアノやギターやドラムがあり、毎晩ミュージシャンの生演奏が楽しめるようなピアノバーです。(時にはお客様の飛び入り演奏や熱唱もありです)
お客様は音楽好きの常連の方が多いのですが、京都ということもあり海外からの観光客など様々な方がいらしてました。
私のメインの仕事はお酒のサービスでしたが、お客様のオーダーも様々でした。
「いつもの!」「○○な感じで」「私をイメージしたカクテル」「任したっ!」
特にお任せのカクテルを注文されるとドキっとします。そんなことは顔には出さずに、数あるリキュールの中から美味しくなりそうな組み合わせを選んでシェイクします。
スタンダードなカクテルの場合も同じですが、特にオリジナルのカクテルを作った時は、お客様が一口目を飲むのを横目で伺いながらドキドキしています。
違う味のものを色々混ぜ合わせて一つの新しい味を創る。とても難しいことですし、その一杯でお客様の気分も、お店の評判も変えてしまうのですから責任は重大です。
しかし、「おいしいよ」や「おなじものを」などと言っていただけると自然と笑顔になり、次はどんなカクテルを作ろうかとワクワクしながら思いを巡らせます。
その感覚は、世界が全く違う設計の仕事ともどこか共通するところがあるように思います。
ドキドキ、ワクワクしながら思いを巡らせ、様々な人やものを混ぜ合わせて一つの新しい形を創る。
普段はビール・焼酎派の私ですが、時々カクテルを飲みながら、そんなことをほろ酔いの頭で考えて楽しい気分になっています。
皆さんもバーに行く機会があれば「お任せで」とオーダーしてみてはいかがでしょう。
新たなワクワクに出会えるかもしれませんよ。
(呑ん兵衛)