IMA コラム
海外文学のススメ
すっかり秋も深まって肌寒い日が続きます。みなさんどんな秋をお過ごしですか? 食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋・芸術の秋と、気候が過ごしやすい事から昔から様々な「秋」が語られています。今回は「読書の秋」についてお話したいと思います。 なぜ「読書の秋」と言われるようになったのかは様々な説があるそうですが、通例では中国の韓愈(かんゆ)という人が遺した、「燈火親しむべし」という言葉に有るようです。 私は本を読むのが好きで、最近は主に海外で書かれた小説を読んでいます。 |
■アリステア・マクラウド著「冬の犬」
スコットランド移民が多く住むカナダの東端の島ケープ・ブレトン島。 |
■ジャネット ウィンターソン著「灯台守の話」
ある日孤児となった10歳の少女が盲目の灯台守に引き取られ灯台守の見習いとして暮らすようになる。 |
どちらもその場所の風景とその場所に住んでいる人々の息づかいを感じる事のできる素晴らしい本でしたが、いずれにも共通していると思ったのは物語を“時代を超えて語り継ぐ”という事についてです。歴史や経済の変化の中で廃れてしまった文化や伝統の背景には、確かにそこで暮らす人々の具体的な一人一人の生活があり、ドラマがあり、それは例え海外で描かれた物語であったとしても普遍性のあるものだと思います。物語を語るという事を通して、便利さという評価軸ではない時代を超えたものにしていく事の重要さを改めて考えました。
そういった事は少なからず設計にフィードバックできる事であるとも思いました。もし機会があれば、是非海外文学を手にとってみて下さい。
(小豆洗い)