IMA コラム
WHO IS BANKSY?
9月上旬、寺田倉庫の「バンクシーって誰?展」に足を向けた。 雨のせいか客も少なく行列もなく 入ると薄暗い細い階段を上り倉庫の2階上がり そこで入場券とパンフレットをいただき、いよいよ中に入る。 |
ひさしぶりのニューヨーク
ニューヨークに行ったのはいつのことだったろうか。
ブロードウェーの79丁目あたりはあまり記憶がない。そのとある街角にこの絵はあるという。
現在「ハンマーボーイ」はアクリル板で保護され地図にも掲載される街の名所となっている。
ヨーロッパの街並み
イギリスの田舎町の坂道の途中に描かれた壁面の絵。
くしゃみとともに建物が斜めに吹き飛んでいるというストーリーで
水平の中に坂道全体が斜めに復元され眺めていると平衡感覚が危うくなる。
(この絵は現地では消されているという)
少し進むと電話ボックスの傍になにやら怪しげな人の絵「スパイブース」。
いずれも「街」の一部に「絵」を添えることで、さらなる意味づけをしている。
驚くことにこれらの展示はすべてスマホでの写真撮影可能。
従って人がまばらになったすきを見て自身もパチリと。
消火栓を打つ少年
館内見取り図を片手にさらに進むと、
不気味なガード下の煉瓦の壁を白く塗装している「ホワイトウォッシング」。
そして冒頭の「ハンマーボーイ」などニューヨークでの作品となってくる。
途中にはニューヨーク市内の地図も掲示されており、作品の場所がプロットされている。
有名な「風船と女の子」
やがて窓の外に壁しか見えない最悪のホテルや、パレスチナ、
ガザ地区の居住地に描かれた、猫が手毬を楽しむ「巨大子猫」なども出現し、
社会への関わりの深さが増してくる。
最後にあの有名な「風船と少女」の絵。
階段わきの雰囲気も忠実に再現されスケール感もわかるようになっている。
少女の手を離れた風船の赤が印象的な作品であった。
会場は倉庫の一画
天井が高く、内部も殺風景なこの倉庫は今回の会場としては最適の空間と思われる。
コンクリートと梁によって構成される寂寥感がこれらの作品のリアリティを増してくれる。
外に出ると雨のそぼ降る天王洲運河。
水面に船が舫う様を眺めているとその橋のたもとにバンクシーの壁画が隠れているような・・・
そんな午後のことだった。
https://www.imae.co.jp/howto/column/96-category3-2/757-who-is-banksy.html#sigProId755dc26725
(風琴子)