IMA コラム
新作品集 “編集中”
設計事務所の顔は「作品集」。2004年から5年ぶりの大改訂です。
今回は60年記念誌を出した後なので、建物の分野ごとに最新作とアーカイブを織り交ぜて編集しました。全体テーマは 「建築に未来 都市に歴史」。 作り続けてきた作品が、街の歴史を刻み続けている様子を表しました。この編集記を「一句」に託してご披露します。
「大陸の 雲もあざやか 上海路」
見開きにドーンと「上海環球金融中心」のパノラマを載せています。設計担当の思いがひしひしと伝わってきて、美しい夜景とともに眼を楽しませてくれます。「複合施設」分野のトップを飾るにふさわしい写真です。
次の分野は「業務」。当社の看板とも言うべき事務所ビルを掲載しています。自作に思い入れのある所員の自薦、他薦をかいくぐった選抜の自信作ぞろいです。昭和30年代のビルも懐かしい写真を探し出しました。
「モノクロの 味もひとしお アーカイブ」
時代を経た建物はなぜか白黒写真が似合います。カラーなのにあえてモノクロにした写真も幾つか。
続いて「宿泊・商業」では表参道ヒルズや上海のパークハイアットホテルをメインとし、「文化・教育」のあとに「生産・流通・交通」と続きます。「医療・福祉」分野では世田谷区の賞を獲得した「ヒルデモア岡本」など。「居住」分野では最近竣工した超高層千葉セントラルタワーをはじめとし10数点。
「千葉一番 高さと誇りと 汗なみだ」
掉尾を飾るのは「和風」。他の設計事務所には見られない当社の特徴的な分野を住宅、寺社、旅館等を含め「和風」というジャンルでまとめてみました。その歴史は昭和30年代の法隆寺収蔵庫にまでさかのぼります。
「斑鳩を 読めぬ若者 時代かな」
長い編集期間もいよいよ終わりという頃合を見計らったように、「今朝、竣工写真が上がりました」との報告。軽いめまいを感じます。そこで一句。
「校了と 思えど今日も 新写真」
(虚子)