IMA コラム
ゼンメルワイス WHO?
ハンガリーの首都ブダペストはドナウ河により東の市街地ペシュト地区と 折からの豪雨で滔々とした流れのドナウ河「鎖橋」をわたって、 その帰途に丘の中腹にある博物館に寄りました。 「ゼンメルワイス博物館」という2階建ての木造建築を訪れたのは |
受付に座っていた婦人が2階の展示室を案内していただき、わかりやすい英語でつきっきりで説明してくれました。
主人公の経歴と手術用具、調剤器具、古い写真、そして解剖学教室の模型などを説明する中で、
手を揉みながら「ウォッシュ」「ウォッシュ」と口に出しながら歩いていたのは我々にそれを求めたのではなかったのです。
ゼンメルメルワイス(1818-1865)はウィーン大学の医学部を卒業後、感染症の予防として「手洗い」を奨励した最初の方で
その活動は今に伝えられその生家が博物館となっているとのことでした。
彼女が両手を揉むのはそういう意味であり、この博物館は「医学博物館」だったのです。
しばしの学習タイムを終えて外に出ると真夏の日差し。ドナウ河に沿ってしばらく歩きプールのようなゲレルト温泉で遊び、
レストランでの夕食前には子供を含め皆で「ウォッシュ」「ウォッシュ」と言いながら手を洗ったことを昨日のように思い出しました。
まさか、その数十年後に世界中がこんなことになるとは思いもよらず、下火になったとはいえまだまだ続くコロナ禍、
ステイホーム中の写真整理で呼び起こした記憶をたどりながら、「ウォッシュ」「ウォッシュ」の手洗いを励行している毎日です。
( 風琴子 )